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エチオピア原産ゲイシャ種がパナマで高評価になったわけ



ゲイシャの起源と移住の歴史

ゲイシャ種はエチオピア原産のコーヒー品種です。1930年代にエチオピアのゲイシャ(Gesha)地区で発見され、その後研究目的でケニアのコーヒー研究機関に持ち込まれました。1950年代には中南米のコスタリカに導入され、そこから1963年にパナマに渡りました

パナマでの「再発見」と品質革命

パナマに導入された当初、ゲイシャ種は病害虫への耐性品種としてとても期待されていました。でも収穫量が少ないため長い間あまり注目されませんでした。転機となったのは2004年、パナマのエスメラルダ農園がゲイシャ種を「ベスト・オブ・パナマ」コンペティションに出品したときです!

この時、審査員たちは今まで味わったことのない複雑で洗練された風味に驚愕しました。ジャスミンのような花の香り、ベルガモットやレモングラスを思わせる柑橘系のノート、紅茶のような繊細さを持つこのコーヒーは、従来のコーヒーの概念を覆すものでした

パナマの地理的優位性

パナマ西部のチリキ県、特にボケテ地区の標高1,400-1,700メートルの高地は、ゲイシャ栽培に理想的な環境です。
火山性の土壌で年間を通じて安定した気温、適度な降雨量、そして何より重要な昼夜の寒暖差が、ゲイシャの持つポテンシャルを最大限に引き出しました

エチオピアでは野生に近い状態で育っていたゲイシャ種が、パナマの科学的な栽培管理の土壌の下で、その真の実力を発揮することができたというわけです

市場戦略と希少性の演出

パナマの生産者たちは、単に高品質なコーヒーを作るだけでなく、巧みなマーケティング戦略を展開しました。
限定オークション形式での販売、トレーサビリティの徹底、ロット別の品質管理など、スペシャルティコーヒー市場の需要を的確に捉えたことで益々知名度を上げることとなりました

2019年にはエスメラルダ農園のゲイシャが1ポンド(約450グラム)あたり1,029ドル(現在だと15万円!!)という史上最高価格を記録し、世界中の注目を集めました。

ではエチオピアとの違いって?

原産地のエチオピアでは、ゲイシャは多くの在来品種の一つに過ぎず、特別視されていませんでした。また、インフラの未整備や精製技術の遅れなどにより、品質の安定化や国際市場への効果的なアプローチが困難とされました

しかし近年ではエチオピアでもゲイシャの価値が再認識され、高品質なエチオピア産ゲイシャも登場しています。
ですが既にパナマ産ゲイシャがブランドとしての地位を確立していたため、価格面での優位性を築くことは困難な状況なのです

まとめ

つまり、パナマのゲイシャが高価になったのは、原産地での「発見」ではなく、理想的な栽培環境の「構築」と「完成」、そして巧妙な市場戦略によるブランド化の成功によるものなのです。品種の起源よりも、その品種の真の価値を見出し、世界に示した場所が評価されるという、現代のスペシャルティコーヒー市場の特徴を象徴する事例となっています。ぜひ、パナマゲイシャをお試しいただき、コーヒーの多様な魅力を感じてみてください

受賞歴のある農園よりパナマ【ゲイシャ・エルパロマール】ナチュラル

パナマゲイシャ

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